研究レポート|城山整体専門学院(整体の専門学校)

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城山整体専門学院

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研究レポート

東洋医学とアロマテラピー

2002.2.15
田中 てるみ

芳香療法は4000年以上もの昔に、香りのある植物を用い、古代エジプトでは850種を越える薬草を使った治療法が記録に残っています。また、彼らは原始的な蒸留法を生み出し、香水や香膏を作っていたとも言われています。こうしたことが、科学や医学の発展と共に、現在のアロマテラピーへ繋がっているのです。
 西洋では、医学の父と言われた、ヒポクラテスなどの医師達が古代ギリシャで活躍していました。彼らは、小宇宙を、火・空・水・土の元素にしたがって、解釈していました。東洋では、中国の大家達が五つの元素が働いていると発見しました。彼らに共通している事は、自然の豊かさを重視し、多様な言語を用い、目にうつる現象の基に何が潜んでいるのかを追求し、明らかにしたことです。このような私達の祖先が発明した物をアロマテラピーにとりいれることで、東洋と西洋の融合や、人の精神と植物の認識を広げることができると思います。
東洋医学の中でも基本となる考えを表しているのが、五行説です。中国における最初の五行説の記録は戦国時代のものになります。そして、宋の時代になって、五行説は疾病の診断と治療法に適用されるようになったのです。医療に適用されたばかりではなく、自然の科学や暦、天文学、音楽、政治の分野でも幅広く活用されました。五行説は五つの循環する位相で、「五行」とは自然界の5元素そのものというより、木・火・土・金・水の印象に象徴される自然の力が、動的な宇宙を創っていることを表します。また、それぞれの元素は他と切り離されているものでも、不変の状態ではありません。連続した気の流れで、元素が陰から陽へ、または陰へと循環する気の自然な流れもあります。これを相生関係と言います。そして、つながる元素は互いを滋養しますが、中間に結ばれた関係は拘束し、束縛する間柄で均衡を失わないように働きます。この制御する関係を相剋関係と呼び、相互に破壊してしまう可能性を含んでいます。例えば、水があふれて洪水になれば、火は消えてしまいます。木が多く育つと土の栄養は奪われてしまいます。人間の心身にも、病気を引き起こす邪気は、ある臓器からまた次へと進行していき、破壊のサイクルを作ることになるのです。この説に基づいて、アロマテラピーの精油を分類し、どのように使用していくのかまとめたいと思います。
まず、五行説の中で最初の元素「水」は、比較的安定した陰の時期であり、冬と夜の休止状態を表します。この時期は成長や回復の可能性を秘め、生殖の力や生存の意志、まさに生命の根源につながる時期です。「水」に属する五臓は腎です。腎は休止状態にあり、封じ込められているものに命を吹き込むと言われています。そして、貯蔵を司り、分泌機能をかねています。更に頭髪に関係し、骨に影響を及ぼします。腎は水を調整します。腎気が弱まり、体の水分調節がうまくできないと、むくみなどが生じます。このような状態には利尿作用のあるジュニパーやスイートフェンネルの精油が助けになります。また、尿の出方や色なども大切です。尿がすごく黄色く熱を持っている時はサンダルウッド。尿が出過ぎで透明の時は、腎が弱って冷えているので、エネルギーを与えるために、ジュニパーが役立ちます。濁りや泡がある時はシダーウッドやタイムが良いでしょう。精神面では、「水」に属する五志は恐れです。志が根付いてないと人は困難な状況に立ち向かう自信がもてず、不安になり、閉じこもってしまいます。このような時はジュニパーの精油がもってつけです。そして、自分の力不足や失敗に恐れる時はゼラニウムが役立ちます。
第二の元素は「木」です。気が上昇し、加速度を増す、陽の時期です。春の訪れや目覚めの感覚に似ています。「水」に潜んでいた力が目を覚まし、活動と進化に結びつきます。「木」に属する臓器は肝です。肝は人の精神に蔵すと言われ、爪に影響を及ぼし、腱の健康を左右すると言われています。肝に入る味は酸味で、色は青、そして、春の大気を満たす気である。肝には気を順調に、のびやかに流す働きもあります。更に血を貯蔵し、活動時にはこれを放出し、気と同じように滑らかで調和のある流れを維持します。気の流れが悪くなると、気が滞り、腹部膨満や消化不良、便秘、頭痛、生理痛などが起こります。血が滞ると、うっ血はさらに進行し、痛みは激しくなります。気や血の滞りの原因は精神の緊張に関わっています。緊張すれば、肝の機能を妨げ、気の流れを害します。そこで、鎮痛作用やリラックス作用のあるラベンダー油が役立ちます。精神面では「怒り」に属します。「木」に不調が生じると、人はやる気を無くしたり、厳格で冷酷な行動をとってしまいます。肝が正常に働いている時は、自己表現なども明確にでき、適度の怒りを表す事ができますが、気が滞ると、抑えられた怒りや嫌悪に起因する鬱状態をもたらします。感情が抑えられ、内にこもり、希望をもつ「木」の自然の精神状態は失意に変わってしまうのです。反対に熱を集めすぎると怒りっぽくなり、目に影響がでるので、目が血走っていたり、白目が濁ったりします。そんなときは熱を取り除くベルガモットやカモマイル、メリッサなどが良いでしょう。
第三の元素は「火」です。より拡張し、光輝くエネルギーです。「火」は夏や真昼の元素です。そして、「火」は「木」での理想を具体化させる時期なのです。気は純化され、繊細になり、意識の気づきと自己の同一性と関わります。「火」に属する内蔵は心です。心は生命の根源であり、精神の働きに多様性をもたらし、洞察や理解力に優れます。また、大切な事は心は温情を交換しあう、愛情の臓器である事です。心が落ち着いていれば、満足感もあり、精神も安定します。心理的な問題のほとんどが多少なりとも、「火」の不調和から生じると言われています。ストレスによって心が乱されると、神経質になったり、苛立ちが起きたりします。感受性や情熱がありすぎても、人は過熱状態になり、傷ついた時には、精神衰弱や不眠症になるのです。そんな時は、心の神経の熱を冷まし、鎮静する、ラベンダーやネロリが良いです。心の陽気が不足すれば、人は情熱が無くなり、温かさや生命力の輝きも無くなり、意気消失し無気力になります。このような時はジャスミンが助けてくれると思います。更に「火」の不調和は自己中心的になったり利己的になり、また、自己評価が低くなり自閉症にもなったりします。心は他人との関わりばかりでなく、自分を愛することにも関係しています。ローズはその両面を助けてくれると思います。
次の元素は「土」です。気は下降し、物質化へと向かう陰の時期です。夏の終わり、初秋のような感じです。意識に明確な思考を吹き込み、スピリットに形を変えます。形となり、具体化された気を表し、肉体を生じ、維持していく時期です。「土」は「火」の母でもあります。「土」に属する臓器は脾と胃です。これは、唇、肉体と筋肉の形状に影響を及ぼします。味は甘味で、色は黄色です。脾と胃の主な機能は飲食物の消化と栄養分の運搬で、脾と胃は栄養分を気、体液、血に変容させるのです。体力と活力を供給するとても大切な臓腑なのです。この臓腑の気が不足すると、消化力が低下し、食欲不振、腹部膨満、消化不良、しゃっくりなどが起きます。この場合、フェンネルやタイムが脾気を増し、胃の働きを活性化する助けになります。脾と胃が飲食物を十分に消化しないと、体内に水分がたまり、痰となったり、リンパにたまったりします。役立つのはグレープフルーツやジュニパーが良いでしょう。また、脾は血の源になります。脾気が弱まると、血管も弱くなり、痔の症状も起こりやすくなります。そして、免疫にも深く関わります。精神面では、脾は食物の消化に関わると共に、概念や情報の吸収と分析に関わるのです。脾が弱まると、集中力が欠け、考えがまとまらなくなります。また、体が太りやすくなり、うっ血状態が生じるように、精神面でも、考えすぎたりしてしまいます。ここでは、フランキンセンスとレモンの精油が安定を与え、心配事や精神の混乱状態を楽にしてくれます。また、「土」の本質は滋養を与えると言うことです。感情面でも世話、援助、思いやりと関わります。「土」の気を多く持つ人は、思いやりにあふれた人が多いのです。調和が乱れると、過保護になり、自分の欲求を捨てて、子供の事を気にしすぎる事になります。レモンなどでリフレッシュしてください。さらには、依頼心がとても強くなったり、共感を欲する気持ちが強くなります。自分自身を抑える能力が無くなるのです。この時は、マージョラムやベチバーが安定を与えます。
そして最後の元素は「金」です。気が集まり統合する、陰の変容の時期になります。「金」は「土」の物質化する性質を引き継ぎ、純化させ、秩序と定義を与えます。季節は秋で、夕方のイメージです。沈黙と内省のときです。交流を求める衝動と距離を保つ必要性の両方に関わります。また例えば、植物の光合成のように、「金」は活発な交換の場であり、外界からエネルギーを抽出する元素であるため、境界という概念に結びつきます。「取り入れ」そして「手放す」のです。肉体の皮膚のようなものです。「金」に属するのは、肺です。肺は息が生まれるところで、体毛と皮膚に影響を及ぼします。大気の「純粋な気」を吸い込み、「汚れた気」を吐き出します。肺の気が低下すると、浅い呼吸、ゆう鬱につながります。大気と飲食物が混合されると、営気と衛気の生成にも関わります。営気の役割は組織器官の栄養維持です。なので、大腸にも影響を与えます。体が重く感じたりします。そんな時はレモンが役立ちます。衛気は体表面を流れ、病邪の侵入から体を保護しています。衛気が弱いと風邪を引きやすくなります。その時は、肺と呼吸機能の強壮をはかり、免疫力を高めるユーカリとティートリーが良いでしょう。そして、空気に湿度が多すぎると、痰の分泌が生じやすくなります。白い痰の時は体が寒い時なので、ユーカリやタイム、マージョラムを用い温め、黄色の痰の時は熱があるので、熱をさげるサンダルウッド、サイプレスが良いと言われています。精神面では、「取り入れ」そして「手放す」という肺の機能が妨げられると、後悔や未練の気持ちがでて、事実を認め、あきらめることができなくなります。そして憂鬱な感情になり、慢性疲労や呼吸困難の原因になります。そして、皮膚のように「金」は人間関係や個人の問題とも関わります。なので、「金」が失調すると、心理的に影響を受けやすく、傷つきやすくなり、孤立することを望みやすくなります。悲観的になってしまうのです。クラリセージやフランキンセンスなどの助けで「金」の気を高め、活力があり、人を引きつける会話ができるようにしたいものです。
これまでの自然の基礎的な力、五行説を考察してきました。一つ一つをよく考えてみると、クライアントさんを観察するのにとても役立つ方法であると思います。身体的と精神的の両面を観察する事ができ、そしてそれに基づいた考えでアロマテラピーの精油を活用していきたいと思います。

 
季節 土用
正午 午後 夕方
青・黒 黄色
人生における働き 生殖・生存 進化・適応・成長 自己確立・理想・達成 凝縮・滋養 交換・合成
臓腑 腎と膀胱 肝と胆 心と心包 脾と胃 肺と大腸
体の組織 腱と靱帯(筋肉) 血管 肌肉 皮膚
感覚器
五支 毛髪 顔色・毛 口唇・乳 息・体毛
声の調子 うめき声 甲高く叫び声 笑い声 歌声 すすり泣く声
五臓の働き 水の調節 気血の潤滑な流れ・血を蔵す 血を統括する(循環) 気を変容させ、運搬する血を調節する 気と呼吸を統括する・気と体液を分布する
五志 恐れ 怒り 喜び 物思い 悲しみ
心の働き 意志・持久力創造力 目的・洞察・適応力 気づき・自己同一性・愛と調和 集中・認識・思いやり 境界・本能・交流
調和のあるとき 断固とした・臨機応変な・賢明な 動機のある・まとまりのとれた・気安い 繊細な・まとまりのある・楽しい 注意深い・思慮深い・支援する 会話を好む・活力のある・肯定的
不調和 無気力・自信喪失・びくびくする・落ち着きのない・駆り立てられた・不安感 緊張・欲求不満・怒り・頑固な・抑圧的・強制的 神経質・心配性・苛立ち・傷つきやすい・意気消失した・自己評価の低い あいまいな・混乱した・気がかりな・過保護・依存する・自己不信 憂鬱・後悔・悲観的・傷つきやすい・鈍感・距離をおく
五悪 寒さ 湿 乾燥
五香 腐臭 油臭 焦臭 土臭 生臭
五液 唾液 よだれ 鼻水
あくび しゃべる げっぷ 胸焼け
使える精油 シダーウッド・ゼラニウム・ジンジャー・ジュニパー・タイム・サイプレス・ジャスミン・サンダルウッド・ベチバー ベルガモット・カモミール・グレープフルーツ・オレンジ・ヤロウ・ラベンダー・メリッサ・ペパーミント ジャスミン・ラベンダー・メリッサ・ネロリ・パルマローザ・ローズ・ローズマリー・イランイラン・レモン・パチュリー・ティートリー 安息香・フェンネル・フランキンセンス・レモン・マージョラム・ミルラ・パチュリー・ペパーミント・サンダルウッド・ベチバー・ゼラニウム・グレープフルーツ サイプレス・クラリセージ・ユーカリ・パイン・ティートリー・タイム・フランキンセンス・ジュニパー・マージョラム・ミルラ・ヤロウ

参考図書:1,城山整体専門学院 教本2
       2,スピリットとアロマテラピー 東洋医学の視点から、感情と精神のバランスを取り戻す
ガブリエル・モージェイ 著、 前田久仁子 訳、フレグランスジャーナル社

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