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研究レポート

経営のためのサービス理論 1

2001.8.24 城山雅広

はじめに
 昨今、会社(お店)を経営(商売)をしていく為には、「サービスを良くしなければならない。」と誰もが言っています。ということは、貴方が何かお店を始めようとすれば、サービスを提供する側になるということであり、良いサービスをしなければいけない立場になるということです。
 そこで、なぜ経営にはサービスが必要なのか。そもそも、サービスとはいったい何なのか。少し、考えていきたいと思います。(将来自分のお店をもった時の事を思い浮かべながら。)

(1)サービスとは
 私たちは日頃「サービス」という言葉を当たり前のものとして使っています。そして、通常私たちが使っている「サービス」という言葉の多くは、無償(無料)を意味しています。例えば、レストランに食事へ行き、その店員さんから「ドリンク(お飲物)はサービスです。」といわれた場合、店側から飲物代を請求されることはないですし、飲物代を支払う必要もないわけです。つまり、タダということです。このように私たちは普段「サービス」という言葉を無償という意味でよく使っています。

 しかし、サービス業(職業)でいう場合の『サービス』とは、無償という意味よりも“おもてなし”(ホスピタリティ)や奉仕・献身・ボランティアという意味に重点が置かれてきます。事実、日本語の「サービス業」は英語ではホスピタリティ・インダストリィ(hospitality industry)と言います。つまり「親切なおもてなしをする仕事」という意味です。お客様に望まれる商品や用役をお客様に提供するのがサービス業の原点ですが、“おもてなし”はそれだけでは足りません。おもてなしというからには、お客様を最高の気分にすることが必要です。その為にも、奉仕や献身というサービスも必要になってきます。つまり、本来サービス業でいう『サービス』とは、商品や用役を提供し、お客様を最高の気分にすることを意味します。

(2)サービスの原理
 サービスとは、人から発せられ人が受けるものであり、きわめて人間的要素の濃いものです。また、サービスの価値を決めるのはサービス提供者ではなく、提供を受ける側にあります。ですから、サービスをするには、受け手の心理を考える必要があります。
 まず、お客様が基本的に期待するサービスと言うものを徹底的に絞り込んでみると、・元気のよい挨拶。笑顔の応対。・商品がつねに均質で信頼できること。・廉価であること。・商品の受け渡しが迅速であること。以上の4点に要約できます。以上の4点がしっかり行われていれば、お客様の期待するサービスを満たしていると言うことができるわけです。

反対に、期待していないサービス(過剰サービス)を必要以上にすることで、お客様に苦痛を強いるようでは、いいサービスとはとても言うことはできません。もちろん、サービスを良くしようと試みることは良いことですが、誰にとっていいサービスなのかを、一度考えてみないと、サービス提供者の視点のみが強調されてしまい、不自然なサービスになることが往々にあるわけです。
 つまり、サービスの価値を決めるのは、サービスを受ける側(お客様)にあるわけですから、お客様の立場で心地よいサービスとは何かを考えることが重要なのです。

また、サービスを良くしようと努力することで、過剰サービス(お客様に接しすぎるetc.)によりお客様をかえって気疲れさせてしまう、嫌な気分にさせてしまうこともあり得るので、サービスをしない(何もしない、干渉しない)ことが良いサービスになり得ることもあることも頭の片隅に入れておいてください。あくまでも、さりげないサービスや自然なサービスがサービスを受ける側にとって、抵抗なくサービスを受け入れることができます。蛇に足がないのが自然なように、そんな自然なサービスは受け入れられますが、蛇に足をつけたようなサービスはお客様にとっては良いサービスというよりは、不自然なサービスと考えるのが自然な反応です。気の使い過ぎにも注意していきましょう。

(3)サービスの本質
 サービス業の「サービス」には、お客様を「最高の気分」にすることが必要です。その為には、善意が必要です。しかし、お客様といえども、初対面の人間に対して、尊敬と愛着を感じろと言われても無理な話です。ですから、商売上の善意は全てが本音の善意を要するわけではなく、建前の善意が必要になってくるわけです。また、良いサービスとはお客様を「最高の気分」にさせることですので、建前の善意だけでもお客様は「最高の気分」になりさえすれば納得されるものです。

まさに、建前の善意とは、サービス提供者が受け手であるお客様を親切かつ慈愛心をもって接されているかのように思わせる技術のことです。つまり、善意とはお客様を「最高の気分」にさせるための演技であり、芝居なのです。
 そして、サービスという演技を華麗かつ繊細に行わせているものが、ひとえにお客様から頂く料金やチップ等の報酬であり、給料なのです。その意味では、接客全てがお客様を「最高の気分」にさせるための演技であり、素敵な笑顔(営業スマイル)も立派なコストパフォーマンスなのです。

その証拠に、サービスの良し悪しにかかわらず一定の給料をもらうお役所では、受付・窓口でさえ笑顔のない対応をしているのが実情なのです。つまり、報酬に変化のない環境であれば、サービスにも善意がなくなってしまうのでしょうネ。(本当はいけない事ですが)
 しかし、会社(お店)というのはお役所とは違い、常に潰れる可能性をもっており、生活すらできなくなる可能性があります。すなわち、お客様から報酬を得られなければ、破産・倒産という憂き目を味わされるわけです。その意味においても、お客様から頂く料金は自分に対する報酬であり、報酬を得るためには善意である演技は必要なものなのです。

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