研究レポート|城山整体専門学院(整体の専門学校)

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研究レポート

リラクセーションの心理的側面

2001.8.24 加納整体研究所 所長 加納 健一

特にこれと言った器質的な疾患が見当たらないにも関わらず、体調が悪いと言う人や、慢性的な痛みに悩まされている人の中には、運動器系の機能失調が第一次原因であるより、むしろ心理的な要因が大きく関わっている場合があります。
例えば、不安は交感神経を鼓舞し、筋組織の緊張を高めるが、更に偏った疲労が慢性的な筋緊張を生んで、そこから感情を支配する脳の活動部位に影響して、不安が増したり、気分が落ち込みやすくなったり、ちょっとしたことに過剰な反応を示すようになったりします。
ここでは、リラクセーションが情動の変化や快感を、どのように生み出すかを考えてみましょう。

大脳辺縁系とA10神経

大脳皮質の古い領域に大脳辺縁系と呼ばれる領域がある。大脳半球の辺縁を占めるように存在していることから、そう呼ばれるようになった。機能的には視床下部を含めることがあり、怒り、恐れ、快、不快などの情動を支配している。そして、感情表現のための自律神経の反応や筋運動にも関与していて、それらを統合している中枢として機能している。錐体外路系と相俟って、心理的な要素を含む無意識運動は、この領域に関係していると考えられます。
生き生きとしている様子や、気分が落ち込んでいる様子、怒った様子などは、この部位の機能によってコントロールされています。

この大脳辺縁系と間脳を結び、快感の中枢として働いているのがA10と呼ばれる脳神経である。この神経は、脳の中でも精神性に関わる部分にのみ走行しているユニークな神経です。
主な走行は、脳幹の神経核から出て間脳の視床下部に入り、そこを出て大脳辺縁系に入る。また、大脳基底核の一部と臭結節へも連絡しているため、間脳では匂いを感じないが、A10神経が関与することで、良い香りは気分を良くさせると考えられる。そして、A10神経の終端は、人間の高度な精神性と関係する前頭連合野と前部帯状回、側頭葉へ至っています。

このA10神経から人が快感を覚える物質、ドーパミンが分泌されるのであるが、実はβエンドルフィンがA10神経を駆動しているのである。従って、リラクセーションによって間脳を活性化し、エンドルフィンを放出することによって、ドーパミンが、全身的な快感を呼び、ストレスや心理的な要因によって生じている不快感を一掃してくれます。

リラックスしていく過程では脳内にα波が多く見られるようになるが、その状態こそ、間脳が活性化し、βエンドルフィンが分泌されている状態なのである。この状態は、変性意識状態と呼ばれ、心身相関や潜在能力の開発などで注目されてきた。その理由は、ここで述べたように、情動と、それによる自律神経系や筋組織の動きを司る大脳辺縁系と、高度な精神機能を司る前頭連合野をつないでいるA10神経がβエンドルフィンによって活性化されるからです。

また、A10神経は、他の神経系のように過剰な興奮を抑える向きに働く制御機構を持っていない。つまり、前頭連合野と連動して働く限りは、ブレーキが利かない神経系なのだ。そのため原理的に言えば、肯定的な気持ちを持ちつづければ、いくらでもエンドルフィンを分泌し、幸福感や充実感を持ちつづけることが出来るのです。
そして、免疫系の主力であるNK細胞(ナチュラル・キラー細胞=白血球)には、βエンドルフィンのレセプターが存在するため、難病を信仰の力で克服したとか、病気を治すつもりがなくても、一心不乱に物事に打ち込んでいるうちに病気が治ってしまう、といったことが起きるのです。

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